第1章 【五条悟・伏黒恵】クロユリは君を欲しがる**
「……暗くて見えねぇよ」
「う、そだ……絶対、見えてる……っ」
「手ぇ退かせ……見えてねえから」
安心させるようにそう言ったが、はまだ疑うように俺を見ている。
それでも、しばらく迷ったあと渋々と腕を横へどかした。
嘘だ。
とっくに目は慣れている。
全部、はっきりと見えていた。
はだけた浴衣の下の白い肌も。
綺麗な形の胸も。
つんと立ったピンク色も。
露わになったその肌に顔を寄せる。
が俺を押し返そうとするが、その手には全然力が入っていない。
指で弄っていた先端を口の中に含んだ。
飴を舐めるように舌で転がして、時折軽く吸い上げてやる。
「ひっ……ぁあっ……だめ、ぇ……っ」
素直すぎるくらい、俺に反応してくれる。
このまま時間が止まってしまえばいい。
このまま、二人で――。
そんな考えに沈みかけたところで、俺のスマホがまた震えた。
『五条先生 着信』
またか。
しつこいな、あの人も。
でも……遅いですよ、先生。
俺はスマホを一瞥して、画面を裏返して畳に放った。
うるさい振動音を完全に無視して、の首筋に唇を這わせる。
そのまま、鎖骨の下あたりを強く吸い上げた。
「んっ、ぁ……ひゃっ、」
赤い痕がはっきりと残るくらい、何度もしつこく。
あの人が絶対に見逃さないような、俺がつけたという明らかな印。
「……」
荒い息を吐きながら、が顔を上げた。
涙でにじんだ瞳が、俺だけを映している。
「……好きだ」
もう一度、どうしても伝えたくて。
「が好きだ。……俺だけを見ろ」
言葉と一緒に、その唇を塞ぐ。
確かめるように、何度も角度を変えてついばんだ。
「んっ……ふし、ぐろくん……」
交わる唇の隙間から漏れる吐息を聞きながら、俺は浴衣の裾から手を滑り込ませた。
とっくに浴衣が乱れてむき出しになった太ももをゆっくりと撫で上げる。
「ぁっ……、」
まだこいつが誰にも触れさせてない場所へ。
俺は自分の中の欲求に急かされるように、手を伸ばしていた――。