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【呪術廻戦/短編集R18】夜更けの花屋は恋を売る

第1章 【五条悟・伏黒恵】クロユリは君を欲しがる**


落ちたスマホの光に照らされた、泣きそうな顔。
雷に怯え、俺を怒らせてしまったという焦りで揺れる瞳。


五条先生に向けるような、どうしようもなく惹かれている顔じゃなくても。
それでも――今この瞬間だけは、俺だけを見ている。
ただそれだけで、押し込めていた感情が黒く熱を持っていく。


頭の中で、何かが切れる音が聞こえた。
俺はを突き放すために伸ばしたその手で。
その背中を強く抱き寄せていた。



「え……ふしぐろ、くん……?」



その戸惑う声を、俺は無視した。
強引に体勢を反転させ、を布団の上に押し倒す。
俺が、上。
が、下。


すぐ目の前で、が目を丸くしている。
何が起きたのかまだ理解していないようだった。
その不安そうな顔を見て、ようやく自分のやっていることに気づく。


(……俺は、何をして)


離れろ。
これ以上、こいつを怯えさせるな。
頭の隅で、冷静な自分が警告している。



「悪い……」



から離れようとした、その時だった。


畳の上に転がった俺のスマホが震える。
暗い部屋の中で、画面だけが白く光った。



『五条先生』



その名前が、嫌でも目に入った。



「……っ」



も、その表示に気づいたらしい。



「で、出た方が……もしかして先生、心配してるかも……」



雷に怯えて。
俺の下で動けないまま。
それでも最初に出てくるのは、あの人のことなのか。


その一言で、戻りかけていた理性がまた黒く塗り潰された。









「……五条先生なんか、やめろ」



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