• テキストサイズ

【呪術廻戦/短編集R18】夜更けの花屋は恋を売る

第1章 【五条悟・伏黒恵】クロユリは君を欲しがる**


窓の外が、真っ白に光った。



「えっ」



が小さく声を上げてすぐに、腹の底に響くような轟音が落ちた。
それと同時に、部屋のテレビも明かりも、すべてがぷつっと音を立てて消える。



「停電、か」



目が慣れていないせいもあるが、外の街灯も消えているらしく、部屋の中は本当に何も見えなくなった。



「、大丈夫か」



返事はない。
ただ、暗闇の中で畳を擦る音だけがした。



「?」



もう一度呼ぶと、震える声が聞こえた。



「……ふしぐろ、くん」

「どうした。暗くて怖いのか」

「ちがう……」

「じゃあ何だ」

「……びっくりしすぎて、腰抜けた……」

「は?」



気の抜けた返答に、一瞬呆気にとられる。
転んだのか。
どこか打ったのか。
そう思って身構えたのに。



「お前な……」



ため息をつきながら、さっき側に置いたスマホを手探りで探し当てる。
画面を点灯させ、ライトをつけた。
白い光が、暗い部屋の一部を切り取るように照らし出す。
光の先、がぺたんと畳に座り込んでいた。



「立てるか」

「……無理かも。足、がくがくしてる」

「驚きすぎだろ」

「だって、あんな大きい雷、初めて聞いたんだもん……」



は涙目で、情けない顔をして俺を見上げている。
五条先生じゃなく、俺を。
それだけで妙な満足感を感じる俺は、もう重症なのかもしれない。



「ほら、手」



スマホを持っていない方の手を差し出す。
は躊躇いながらも、俺の手を握り返してきた。
その手を引いて、立ち上がらせようとした、その瞬間だった。


再び、窓の外が真っ白に光った。
/ 75ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp