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【呪術廻戦/短編集R18】夜更けの花屋は恋を売る

第4章 【五条悟】勿忘草の悪魔**


『僕、興奮するかもしれないのに』



興奮する。
それって、つまり。


(それは、勃つってこと……!?)


私じゃ勃たないと言っていた、五条さんが。
私が一人でしているところを見れば、ちゃんと反応してくれるかもしれない?

そうすれば、私は専属淫魔としての初えっちを無事に達成して、あのものすごい精気をたっぷりといただけるのでは……?


私は、ごくりと唾を飲み込んだ。

恥ずかしい。
死ぬほど恥ずかしい。


でも、私はプロの淫魔だ。
新入りだけど。

契約者さんを気持ちよくさせて精気をいただくのが、私の絶対の使命。


(お仕事……これは、お仕事なんだから……!!)


ぐるぐると限界まで混乱した頭のまま、私はゆっくりと自分のワンピースの裾へと視線を落とした。



「……ま、処女のには、さすがにハードル高いか」



私の葛藤に気づいていないのか、それとも気づいたうえでなのか。
五条さんはあっさりと身を引き、ソファから立ち上がってしまった。



「じゃ、僕はもらったパンでも食べよっかな。任務長引いて、腹ペコなんだよね」

「あ……」



待って。

このまま五条さんが離れていったら、また私は何もできないままだ。
それは、嫌だ。

五条さんに、少しでも私を見てほしい。
私でもちゃんと、五条さんを興奮させられるんだって思ってほしい。


気づいた時には、丸まっていたはずの尻尾が、立ち上がりかけた五条さんの黒い制服の袖に絡みついていた。



「……?」



振り返った五条さんが、少し驚いたように私を見下ろした。



「ぇと……っ」



慌てて引っ込めようとしたのに、尻尾は五条さんの袖を離してくれない。
まるで、私の本音だけが先に飛び出してしまったみたいだった。


心臓が口から飛び出しそう。

でも、言わなきゃ。

プロの淫魔として。
それに、たぶん、それだけじゃなくて。



「……っ、……ぁ」



私は震える手で、自分の尻尾ごと、五条さんの袖をぎゅっと握った。








「一人で、するとこ……っ。……見てて、ください……っ」







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