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【呪術廻戦/短編集R18】夜更けの花屋は恋を売る

第4章 【五条悟】勿忘草の悪魔**


「これには海よりも深く、山よりも高い理由があるんです!!」

「ほう? 理由」

「きょ、今日、お昼に先輩とランチに行ってきて……あ、あのっ、テーブルの上に焼きたてのパンあります! 美味しかったから、五条さんにお土産です!!」



私はピシッと尻尾の先をダイニングテーブルの方へ向け、必死にパンの存在をアピールした。

どうかパンで今見たことを忘れてほしい。
もう、これ以上追及しないでほしい。



「へえ、パン。ありがとう……で?」



ですよね。
パンひとつで、今見た光景がなかったことになるわけがない。

逃げ道を塞ぐように、五条さんは私との距離を詰めてきた。



「……せ、先輩がですね」

「先輩が?」



五条さんに促され、仕方なく続きを口にする。



「『これ見てお勉強しなさい』って、動画を送ってきて……その、男の人を、た……勃たせるには、これがいいって……」

「……」

「だ、だから! 私は真面目にお仕事のお勉強をしていただけで!!」



私の必死の言い訳を聞いて、五条さんの視線がクッションの下に押し込まれたスマホへ向く。



「なるほど。その真面目なお勉強の結果、一人で発情しちゃったってわけ?」

「ぴゃっ!?」



どストレートに図星を突かれ、自分でも聞いたことのない声が出てしまった。
尻尾も恥ずかしいのか、小さく丸まっている。



「悪かったね、そんなとこ邪魔しちゃって」

「あ、ぅ……」

「いいよ、続けて」

「…………、はい?」



つ、続けて……?
なにを?

さっきの、あれを!? 五条さんの目の前で!?!?



「む、無理ですよぉ……っ!!」



何を言ってるんですか、五条さんは!
いくらなんでも、そんな公開処刑みたいなことできるわけがない。

すると、五条さんはつまらなそうに、ため息をついた。



「えー、残念。が一人でしてるところ見たら、僕も興奮するかもしれないのに」

「…………えっ?」



小さく丸まっていた尻尾が、ピクッと反応する。
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