• テキストサイズ

【呪術廻戦/短編集R18】夜更けの花屋は恋を売る

第1章 【五条悟・伏黒恵】クロユリは君を欲しがる**


案内されたのは、昔ながらの和室だった。
窓際の木枠や座卓には細かな傷が残っているが、部屋はきちんと掃除されていて、古くても清潔さがある。


座卓の上には、館内案内と茶菓子。
壁際には、浴衣とタオルが二人分。
それだけで、ここにと二人で泊まるのだと思い知らされる。



「一階に大浴場もあるって。あ、卓球場もあるよ」



が館内案内の紙を見ながら、声を弾ませた。



「……」

「こういう旅館、ちょっと久しぶりかも」



そう言って、は部屋の中をきょろきょろ見回す。
こっちの気も知らないで、浮かれやがって。



「お風呂行ったあと、卓球しちゃう?」



そう言いながら、は濡れた制服の上着のボタンに手をかけた。


ひとつ、ふたつとボタンを外していく。
水を吸った上着が重そうに肩から落ちて、その下のシャツが見えた。


シャツは濡れて、ほとんど肌に貼りついている。
その白い布地の下に、淡い色の下着が透けて見えた。



「……ッ」



咄嗟に視線を逸らした。


心臓がドクンと音を立てる。
見ちゃいけないものを見てしまった罪悪感。
それをはるかに上回る、ひどく最低な衝動。


(……何考えてんだ、俺は)


自分が嫌になるくらい、身体の方が先に反応していた。



「ん? 伏黒くん、どうしたの?」



が、こちらを覗き込むようにして瞬きをする。
自分の格好に、これっぽっちも気づいていない。



「……お前、な」

「え?」



俺は近くにあったタオルを掴むと、の方へ乱暴に投げつけた。



「わっ……なに?」

「なんでもいいから隠せ。透けてる」

「え……? あ――っ!」



が小さい悲鳴を上げる。
顔を真っ赤にして、慌ててタオルを胸元に当てているのがわかった。
/ 75ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp