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【呪術廻戦/短編集R18】夜更けの花屋は恋を売る

第4章 【五条悟】勿忘草の悪魔**


先輩と別れたあと、私は五条さんの家へ向かって歩き出した。


昼間の街は明るくて、人通りも多い。
カフェへ向かった時よりも、空が眩しく見えた。

それなのに、先輩から聞いた話が頭から離れなくて、心だけがどんよりと重たかった。


今日のこと……五条さんに報告しなきゃな。



『祓うかどうかは、ちゃんと調べてから』



五条さんは、そう言っていた。


会社のことを調べ終えたら、五条さんとの契約は切れて。
私は祓われるんだよね。

そう思ったら、胸がきゅっと締め付けられた。


どうしてだろ?
祓われるのが怖いから。
……たぶん、それだけじゃない。

五条さんにもう名前を呼んでもらえなくなるのは、なんだか嫌だった。
意地悪に笑われるのも、からかわれるのも、本当は全然嬉しくないはずなのに。


いつか会えなくなるかもしれないと思うと、胸の辺りがおかしい。


(……これも、五条さんの精気のせい?)


そんなことを考えているうちに、いつの間にか五条さんの部屋の前まで戻ってきていた。
鍵を取り出し、玄関を開ける。


五条さんはまだ帰ってきてないらしい。
それもそうか。
まだお昼過ぎだもんね。

ほっとしたような。
ちょっと、がっかりしたような。



「……ただいま、でいいのかな」



誰もいない部屋に向かって、小さく呟く。
もちろん、返事はない。


私は手に提げていた小さな紙袋を、ダイニングテーブルの上にそっと置いた。


カフェを出る時、結局買ってしまった焼きたてのパン。
五条さんにも食べてもらおうと思って……いや、別に深い意味はない。

ただ、美味しかったから。
契約者さんとの円滑な関係を築くための、業務上必要な差し入れってやつ。



「……食べてくれるといいな」



リビングのソファに腰を下ろし、スマホを取り出す。
画面に新しい通知が届いていた。

あ、先輩からだ。



『専属契約、頑張りなさいよ! また相談乗るからね♡』



先輩……優しい。
やっぱり、頼れる大人の淫魔だ。
一生ついていきます。


すると、すぐにもう一通のメッセージとURLが送られてきた。
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