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【呪術廻戦/短編集R18】夜更けの花屋は恋を売る

第4章 【五条悟】勿忘草の悪魔**


「君が最近世間を騒がせている悪魔……ね。人間から精気を奪ってるってことでいい?」

「悪魔じゃなくて、淫魔です! それに、奪うなんて人聞きの悪い……。ちゃんと契約したうえで、いただくんです」

「同じじゃない?」

「違います!」



そこは大事なところだ。

私たちは、勝手に人間を襲ったりしない。
きちんと契約を交わして、合意のうえで精気をいただく。

……会社からは、そう教わった。



「それに、命までは取りません。少し疲れるだけです」

「少し、ねぇ」

「はい。たぶん」

「たぶんなんだ」

「わ、私は今日が初仕事で……まだ精気をいただいたことないんです。だから、どのくらい疲れるのかわからないんです」

「そうなの? てか、淫魔って君以外にもいるの?」

「はい。素晴らしい先輩がたくさんいます」



私は胸を張って答えた。


先輩たちは、みんな綺麗で、色っぽくて。
きっと、男の人の理性だって簡単に溶かせるのだろう。
もうとっくに精気を持ち帰っているに違いない。

そうだ、私も早く仕事を遂行しなきゃ……。


私はおそるおそる、五条さんの顔を見上げる。



「あの……」

「なに?」

「五条さんは、私と、その……気持ちいいことをする気は……」

「ないよ」

「ない!?」



あまりにもあっさりと言われて、思わず声が裏返った。



「ど、どうしてですか!?」

「どうしてって……」



五条さんは少し困ったように、白い髪をくしゃりとかいた。
それから、なんでもないことみたいに言う。



「僕、君のこと祓わないといけないからさ」

「は、祓う……?」



祓う。
それは、つまり。
淫魔である私を、消すということだろうか。



「私を……殺すってことですか?」

「まあね。被害が出てるなら、僕はそういうのをどうにかする側だから」

「被害……」



その言葉が、胸の奥に小さく刺さった。
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