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【呪術廻戦/短編集R18】夜更けの花屋は恋を売る

第4章 【五条悟】勿忘草の悪魔**


とりあえず言い切った!
こ、このあとは……?
先輩、このあとはどうしたら!?


私はぎゅっと目を瞑って、目の前の契約者さん――五条さんの反応をまずは待った。

会社の研修では、ここで男の人は私に理性を溶かされて、めろめろになるはずだった。


だが、いくら経っても何の反応も返ってこない。
部屋の中に静寂が落ちる。


え。

もしかして、変だった?
やっぱり噛んだから?
それとも「気持ちいいことしましょ」の言い方が棒読みだった?

部長。先輩。
ごめんなさい。
私、いきなり失敗したかもしれません。



「あ、あの……」



この空気に耐えきれなくて声をかけたが、返事はない。
五条さんは俯いたまま、肩を小さく震わせている。

どうしたんだろう。
もしかして、具合悪いとか?


不安になって、私は尻尾をぎゅっと掴んだ。



「だ、だいじょ――」

「……っ、ぷ」



えっ?



「あーっ、はっはっはっはっ!!!」



五条さんが、突然お腹を抱えて爆笑し始めた。
長い足をバタバタさせて、本気でツボに入ったように笑っている。



「えっ、ちょ、えっ!?」

「ひぃーっ、ごめ、っ、あははははっ! ちょっと待って。無理」

「む、無理……?」

「だって君、登場から全部失敗してるじゃん」

「ぜ、全部!?」

「……っ、あーお腹痛いっ。ひぃーっ」



五条さんは、まだ肩を震わせて笑い続けている。


恥ずかしすぎて、顔が熱くなった。

違う。
こんなはずじゃなかったのに。
今頃は、契約者さんの理性をとろとろに溶かして、精気をもらうはずだったのに。


自分の不甲斐なさが悔しい。
それに、五条さんもそんなに笑わなくてもいいのに。

じわりと、目の奥が熱くなる。


泣いたらだめだ。
契約者さんの前で泣いちゃだめ。


でも、泣いちゃだめだと思うほど、涙が勝手に滲んでくる。



「……わ、笑わないでくださいよぉ」

「ごめんごめん。だって、悪魔っていうから、もっとこう……」



五条さんは口元に笑いを残したまま、こちらに近づいてきた。
私の前で足を止めると、少し身を屈めて、まじまじと私を覗き込む。
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