第19章 束の間の休符
ガンガン痛む頭に意識を奪われ、何も考えずに寝室へ向かう。ドアを閉める直前、リハーサルから持ち帰った楽譜を一瞬見つめ、適当な場所に放る。
ベッドに身を沈め目を閉じる。
本当は少しだけ横になるつもりだった。
次に目を開けた時には朝か夜かもわからなかった。
「……」
時計を見る。
「…………」
日付けが変わっている――?
「しまった」
反射的に跳ね起きる。
「最悪……あいつのせいだ」
呟き、譜面を探す。
そのまま机へ向かう。
「…?!」
頭痛がない。
耳鳴りもない。
楽譜を見れば、昨日まで詰まっていた部分が流れ出すように見える。
「あ」
自然に一節書ける。
「……」
ウイングの顔が浮かぶ。
「……あいつは関係ない」
でも、手は止まらない。
旋律は走っていく。
コンコン。