第2章 予定は未定で仮定の話し
役所の手続き、新居への引越し、会社に報告。そうして休日の今日、生活に必要な物を探して2人で出かけた大型商業施設のセレクトショップで、小物類を物色。これを数週間でやってのけたんだ、それも新年度のそこそこ多忙な時期に。
ちゃんと地に足をつけて確実に現実は進んでいるのに、タスクばかりをこなしていたら感慨に耽る余裕すらなかった。
「黒尾さん、他にいるものってありましたっけ」
「んー、そうだな、家電も家具も昼以降に届くし、最低限必要なものもカゴに入ってるし、あとは追々揃えていけばいいでしょ」
「そうですね。私はカップ買えただけで割と満足です」
「はは、そりゃ良かった」
レジ前の行列の最後尾。薄く笑った望月と、カゴの中でこっちをガン見するおっさん。その対比がシュールすぎて俺までにやけそうになった。
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「あ、そうだ!ちょっと聞いてほしいことがあるんですけど」
「ん?どした?」
「えっと、できればこっち座って、……全然終わってからで大丈夫なんで」
帰宅後、家具の設置と家電の設置、私物が入っている段ボールが数十箱。間取りは2LDK。広さも設備も申し分なし。だが、引越しの何が億劫って、この荷解きが死ぬほどめんどくさい。
一箱やっつけては休憩、を何度も繰り返して、しまいには黒尾さんって私生活では非効率なんですね、なんて笑われる始末。対する彼女はノンストップで動いていたおかげか、ほぼ完遂状態だった。