第1章 月夜のアンコール
「インディゴさんですか。いつか同じ戦隊として任務につくことがあるかもしれませんね。その時のために覚えておきましょう、あなたの名前を」
それはどっちを、と思ったがインディゴは聞けずにいた。なぜだったかはインディゴも分かってはいなかったが、判明させる必要もないと感じていた。
インディゴはゆっくりとハーブティーを口に含んだ。その間、インディゴは向かいのソファにいるシャレムと言葉は交わさなかったし、逆もまた同じく、話し掛けられることもなかった。そうして沈黙が支配する空間の中、シャレムは黙々と書類の作業をしていて、インディゴはそんな彼が出す紙を捲る程度のかすかな音を聞いていた。
結局、その日はドクターが執務室に戻ってくることなくインディゴは自分の宿舎に帰ってきていたが、心は整理がついていて落ち着いていた。シャレムといた無言の世界で、自分を見つめ直す時間があったからかもしれない。そして決意が固まっていた。自分には自分の出来ることをしよう。そう、心に決めて。