第1章 月夜のアンコール
「はい。よければ、明日も皆さんと一緒に遊びたいと思います。隠れんぼは、上手くはありませんが……」
「だったら……!」アルトは私の抱えている杖を指差した。「この杖、どうやって光ってるんですか?! ぜひ分解して中身を見てみたいです!」
大人しくて話すのが苦手そうな第一印象とは思えないくらい明るい声でアルトは詰め寄ってきた。アルトが指しているのは私が抱えている照らすための杖。お母さんの持っている杖に似せた子ども用のアーツユニットだった。
「これは、お母さんもよくは分からないと言ってました。ロドスのエンジニアの人たちが、お母さんの杖に似せて作ってくれたものです」
「へぇ……!」
気弱な性格はどこへ行ったのか、アルトの目はキラキラと輝くばかりだった。それから更に質問は続き、私は分かることだけ答えていき、分からないことがあると「構造はこうなんじゃないか」と子どもにしては難しそうな電子回路の話をし出した。
当時の私は全くアルトの話は分からなかったが、聞いているだけで楽しかったのでうんうんと頷いていたと思う。最後に話し終えて、こんな話興味なかったよね、と謝るまでがアルトらしい一面だった。
そうして私は、はみ出し者の一人になっていったのだと思うの。