第1章 月夜のアンコール
〜ルミー目線〜
子どもの頃から、私はお母さんによく光のアーツの使い方を教わった。
お父さんは私が戦いごっこすることを嫌っていた。戦いごっこなんて女の子がするものじゃない、と当時の私はお父さんの考え方はそうなんだと思っていたの。だからお父さんは、私に戦い方を教えるんじゃなくて、もっと日常的な……そう、フォークやスプーンを丁寧に扱う方法とか、誰かに分け合いっこする方法とかを教えてくれた。それを不安に思ったことはない。お父さんの本の読み聞かせとか大好きだったし。
だけど、私がロドスのオペレーターとしてお父さんがかつていた古城跡地を見た時に、本当は私に戦うような状況にしているテラ自体を恨んでいたんだと知った。テラは未だに大きな病気にかかっていて、誰かが救わなければならない、というアーミヤさんの言い分はよく理解しているつもり。でも、本当に世間知らずだったのは私の方だったのだ。だから私は、今もお父さんの言葉はよく聞くようにしている。
子どもの頃は、一人でいることが多かった。大抵の理由は、私の尻尾の色が気味悪いとか、何考えているのか分からないとか、子ども同士ではよくある話。それに、私は同じ年齢の子どもとは上手くいっていなかったけれど、ひとりぼっちで寂しかった訳ではない。あとで聞いた話だけど、私はいつも一人で「影」と遊んでいて、それがかえって不気味さを呼んでいたみたいだけど、そんなことを気にせずに話しかけてきたのがサージュだった……。
という話は後にして、今日は私が子どもの頃に見た「影の先生」について書こうと思う。ドクターが、私の子どもの頃に描いた絵を執務室に飾っているものだから、よく質問されちゃって。あの絵がなんのことか、私も思い出しながらここに書き出して、他の人にも分かるように説明出来るようになりたいの。だから、ここに書いとくね。