• テキストサイズ

【刀剣乱舞】神様に恋した猫【完結】

第6章 番外編 忘れられない温度


最初は、本当に些細なものだった。

人手が欲しいと言われ畑当番でもないのに外へ行けば、必ず布を被った後ろ姿があった。
その後は会話するでもなく
一緒にいる事が増えていたと思う。

他愛のない会話をする。
沈黙を、共有する。

それだけでよかった。
それだけのはずだった。

けれど。
ふと指先が、触れたとき。

「……っ」

どちらともなく、息が止まる。
離すべきだった。
なのに――
離れなかった。

その日から、少しずつ。
本当に少しずつ。
距離は変わっていった。

「……これが恋というものだろうか」

ある日、山姥切がぽつりと呟いた。
驚くほど、あっさりと。

「……ああ」

否定はしなかった。
する意味もなかった。

分かっていたから。
もう、とっくに。
戻れないところまで来ていると。

それからは、早かった。
手を繋ぐことも。
隣にいることも。
触れることも。

――全部が、自然になった。

夜、静かな部屋で。
互いの温度を確かめるように、触れ合った。
言葉は少なかった。
けれどそれで十分だった。

(……ああ)

これが、“満たされる”ということかと。
人の形を得て初めて知ったものだった。
/ 43ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp