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【刀剣乱舞】神様に恋した猫【完結】

第5章 痛みのかたち


(鶴丸視点)

――あれから、しばらく経った。

時間は、ちゃんと進む。
任務もあるし、政府の指示も相変わらずだ。
世界は何事もなかったみたいに回ってる。

まあ、そういうもんだ。
ひとつ消えたくらいじゃ、止まりはしない。

(……で)

「お前、まだ来てるのか」

石段の上。
見慣れた黒い上着を羽織る背中。
ぴくりとも動かない。

「返事くらいしろよ」
「……用がないなら帰れ」

低い声。
相変わらずだ。

だが――

(……変わってるな)

前よりもずっと静かだ。
無駄が削ぎ落とされた、じゃない。
“何かが抜けた”静けさ。

「なあ」

隣に立つ。
視線の先は、同じ場所。
何もない空間。

「ここに何があるんだ?」

分かってて聞く。
こいつも、分かってる。

「……何もない」

迷いもない。
だけど。

(……それで終わらないのが、お前だろ)
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