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【刀剣乱舞】神様に恋した猫【完結】

第4章 見えている奴は、見て見ぬふりをするな。


「……今日は、人の姿はやめておけ」

ぽつりと告げる。
ヒスイの耳が、ぴくりと動く。

「……消耗している」

理由は、分からない。
だが“削れている”ことくらいは分かる。
あの瞬間を見てしまったから。

(……あれは、正常じゃない)

なのに。
それでも。

「……来るなとは言わない」

口から出た言葉に、自分でわずかに眉をひそめる。
矛盾している。
関わるなと言いながら、来ることは許す。
拒まない。

(……面倒だな)

分かっている。
これは、“情”だ。
必要のないもの。
持つべきではないもの。

それでも――
ヒスイは静かにすり寄ってくる。
その体温が手のひらに残る。

(……ああ)

知ってしまった。
この温度を。
だからもう――

「……勝手にしろ」

突き放す言葉のまま。
手だけが、優しくなっていく。
その理由の名前を、まだ知らない。
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