• テキストサイズ

PRISM LINE【ワールドトリガー】

第6章 エデンを覗き見る



「ほんとどうしたの。いきなり顔見たいとか」
「んー?そのまんまの意味だけど?」
「………」
「嫌なら帰る」
「嫌じゃないよ」


嫌なわけがない。
あたしも会いたかったんだから。
だけど、ストレートに言われると照れて言葉が出てこないのは察してほしい。

これは、あれ?
あたしだけじゃなくて、蓮も会いたかったってこと?
顔見たいってそう言うことでいいんだよね?
勝手に解釈したら、どことなく優しい表情でじっと見下ろす彼の顔すらまともに見れなくなりそうだった。


「これ、あげる」
「なにこれ」


そんな心情を悟られたくなくて、右手に持ってた袋を押し当てるように蓮に突き出した。

ぶっきら棒に、視線は明後日の方向で。
自分の可愛げのない態度は自覚済みだ。


「………うわまじか。これってシフォン?」
「なんで分かったの?」
「俺の甘いもん好きセンサーなめんなよ?」
「なにそれ、そんなの付いてるの?」


確かに甘いものには目がないって言った。だから昨日のお礼も込めて、思いつきだったから材料もなかったし、シフォンケーキしか作れなかった。

1ピースごとにカットしてラップにくるんで。100均のタッパーに詰め込んだだけの、オシャレ感もクソもないそれ。誰かに何かをあげるのに、このラッピングとも言えない個装はどうなのって思ったけど。気持ちはたくさん乗せたつもりだ。

袋の中身を覗きながらみるみる綻ぶ表情。喜んでくれる蓮を見たら、早起きして作った甲斐があったよ。


/ 172ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp