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PRISM LINE【ワールドトリガー】

第6章 エデンを覗き見る



まだ夜も明けきらない、薄ぼんやりとした世界。枕の横、しし丸とアラームを響かせる端末。もこもこふさふさな胴体を、頻りに人差し指で押すのは日常茶飯事になった。

あたしの珍行動に、もう物怖じすらしなくなった彼はまだまだ夢の中で。いつまでたっても鳴り止まないアラーム音が耳障りすぎて、そこでやっと覚醒。

ああ、そうだ。こんな時間に起きたのには理由があったんだ。ボサボサの髪を一つに纏め、ニットのカーディガンを羽織っても寒い朝。ベッドから這い出るにはそれ相当の覚悟が必要だった。














「あ」
「あぁ?」
「お、はようござい、ます」
「んだよその嫌そうなツラは」
「もともとこんな顔です」
「……チッ」


任務開始数十分前。集合場所から一番近い自販機の、併設された椅子に座って朝ごはん代わりに缶コーヒーを飲んでいると、気怠そうに廊下を歩く黒髪を見つけた。

あたしに向けて舌を打つくせ、自分も同じように買った缶コーヒーを片手、空いてる席がたくさんあるにも関わらず、迷うことなく隣にどかりと座る。この人の舌打ちって、もうクセのようなものなんだろうな。


「今日の任務、よろしくお願いします」
「お前だろ?今年の新人で入隊式ん時に5秒叩き出したってやつ」
「あたしの話し聞いてる?今日一緒だよね?」
「望月花衣。ポジションアタッカー。女にしては珍しい孤月使い。師匠譲りの戦闘バカ」
「おいこらちょっと!あたしは戦闘バカじゃない!」
「1日何十本も模擬戦やってりゃ戦闘バカ以外のナニモンでもねぇわ」


心外だ。なにその称号。ていうかこんな不名誉な言い方されるのは、明らかに太刀川さんのせいだ。

鋭い瞳と好戦的な笑み。あたしを見ながら、今度俺ともランク戦してくれやって、挑発してくる影浦くんも大概戦闘バカでしょ。


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