第5章 無重力に花は咲く
「なぁ花衣」
「ん?」
「花衣はなんでボーダーになったの」
「なんでボーダーに、………んー、なりゆき?」
「はは、なんだそれ。なりゆきでなれるもんじゃねぇだろ」
確かに、なれるもんではないのかも。かと言って自分から足を踏み込んだわけでもなくて、どっちかと言えば無理やりだったもんな。根掘り葉掘りと素直に喋ると確実にボーダーのイメージが下がるから言わないけどね。
「怖くねぇの?」
「なにが?」
「でっかい化けもんみたいなヤツと闘うんだっけか?」
「あー、今のところは怖くない、かな」
「今日あんだけびびってたのに?」
「もーまたそれ言う?」
人の揚げ足取って喜ぶ蓮を睨んでやれば、拗ねんなよって、あたしとは対照的な表情。拗ねさせてんのは誰よ。
「やっぱあれ?花衣も市民を守ってーとか、正義感強い系?」
「正義感?そんなの持ってないよ」
そこまで熱い性格してないし、実際のところまだまだ駆け出しの半人前以下だし、ほんの数ヶ月前なんて、本気で嫌がって断り文句ばかり並べてたんだもの。