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【HQ】アイミスユーの後遺症【孤爪研磨】

第10章 ノンセキュリティ・ブランケット


「花衣となんかあっただろ」
「知ってて聞いてるよね」
「まぁ、情報通ですから?」


噂好きのOL並みに収集が早いクロの、地味に世話焼きな性分にかかるとだいたいの事象は好転する。純度100%なそれは幼馴染のフィルターを差し引いても頼もしく見えるのに、隠しきれてない冷やかしに好奇心。わざと異物を混ぜるからおれの顔も露骨に歪んでしまう。

飲みに行こうとメッセージを寄越したクロは落ち合った瞬間から憎らしい笑みを乗せて、十中八九この話題だろうなとあからさまに吐き出したため息はどこか重苦しかった。


「渡したいものあるからって連絡が来た1時間後に急用できたって断られて」
「ほう」
「そっから連絡来ないし、しても既読スルー」
「そうなった心当たりは?」
「…………」
「あるんかーい」


あると言えばある、断定できる自信がないだけで。


通知音が鳴ったあの日、彼女が訪れる数十分前。なんの前触れもなく玄関のチャイムも鳴った。外に出ると大学の友人が貸していたゲームソフト片手に満面の笑み。

講義被った時で良かったのに、そう言って受け取ると、話したいことあったからって僅かに頬が染まった。

乙女ゲームで言えば、エンディング、ルート回収、スチルイベントあたりが妥当なんだと思う。
言葉に詰まりながらか細く聞こえた好きの文字と、友人が纏った甘い雰囲気に、誠心誠意の謝罪を返して確認したスマホ画面には、花衣が訪れる時間より10分も過ぎていた。

そこからうんともすんとも言わなくなったメッセージは、きっとそう言うことなんだろう。


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