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<短編>ブルロ 気まぐれに書きたいやつ

第2章 借り物/ブルーロック/糸師凛/幼馴染み/シリアス日常


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「お腹空いたね~」
「次の授業だる」


休み時間になる。
自分の席の周りに自然と友人達が集まり他愛ない談笑を初めていた。繭は半分くらい会話に混ざり、指先ではシャープペンシルの先を撫でていた。顔は机に落ちたままだ。今日は依然としてどうにもやる気が出ないのだ。


「繭、元気なくない?」
「んー……」
「五月病~?」
「んー……」


理由はわからないが確かに気分が良いとは違う。目の焦点をぼかしたまま、固い机と自身の頬が離れないでいる。


ふと教室内の空気が変わる。

静寂、不自然なざわめき、耳打ちのような声、理由を理解するよりも早く繭の側には長身の影が落とされた。

ああ、そうだった。ここで教室の空気の変化への理解が繋がった。凛はこの学校ではそこそこの有名人だ。サッカーしかり外見しかり、目立つ要素が多いので勿論理解は出来るのだが。


「繭」


回りの友人も、近くにいるクラスメイトも、急に息を潜めるものだから凛の声がやたら目立って聞こえる。

こういった出来事の後にあれこれ回りから詮索される事も既に経験があるし、実際面白い話は何も出て来ないのだから繭からすればとばっちりの付属品のようで正直居心地が悪い。
これなら一層のこと凛のクラスに自分が届けに行った方が良かったか、いや、結局は似たようなことだろうか。

ここでの最善策は一秒でも早く今の状況を平常に戻すことだ。繭は一旦頭を上げて机の中を物色し、所望のものを素早く取り出した。


「ん」


繭は目も向けずに片手で参考書を渡す。凛は黙ってそれを受け取り何事もなかったかのようにその場を去ってしまった。


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