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時空の絆

第11章 人間万事塞翁が馬


私の脳裏に、一本の線が繋がりました。

史実では、近江屋の夜に龍馬を救える者は誰もいませんでした。
けれど、もし今。この時空で。
新選組の、あの「天才剣士」がその場に居合わせたとしたら。

「……沖田さんだ。龍馬さんを京都見廻組から守り、そして彼自身もまた、その戦いの中で命を燃やし尽くそうとする……。おじいちゃんが救いたい『誰か』の一人は、沖田総司さんなんじゃないの!?」

私の言葉に、仁先生は息を呑みました。

かつての歴史、あるいは別の時間軸で、沖田は龍馬を護り、そして力尽きたのではないか。だからこそ、仁先生は龍馬と同時に、沖田をも救わなければならないと無意識に願っていたのではないか。

「……もし、それが本当なら……」

「行かなきゃ、近江屋へ。……龍馬さんを、そして沖田さんを……二人とも救うために!」

私はふらつく体を押して、枕元に置かれた桜の簪を手に取りました。
龍馬が新しい国を作り、沖田がその空を健やかに見上げる。

そんな「ありえない歴史」を現実に変えるための、最後のカウントダウンが始まろうとしていました。

「……沖田さん、待っていて。……今度は、私が盾になるから」

外では冷たい冬の風が吹き始め、運命の十一月十五日が刻一刻と近づいていました。

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