• テキストサイズ

緋色の海に溶ける蜜情 【ONE PIECE 赤髪 R18】

第6章 赤髪の生誕祭  ―月の光と蜜の舞―


静まり返った甲板に弦楽器の旋律が流れ始めた。

揺れる篝火と蒼白い月光の中、透ける布がふわりと宙に舞い、その中から一人の踊り子が姿を現した。


だった。


彼女が纏っているのは、夜の闇に映える深い赤と金の装飾が施された、踊り子の正装。
肌を露出させたしなやかな肢体が動くたび、足首に結ばれた小さな鈴が「チリン、チリン」と、清らかな音を響かせる。


それは、息を呑むほどに優雅な舞だった。


指先まで神経の行き届いた動きは、まるで水面に広がる波紋のように滑らかで、彼女が回るたびに衣装の裾が夜風を孕んで美しく広がる。
クルーたちは、酒を飲む手さえ止めて、その幻想的な光景に釘付けになっていた。


だが、曲調が突如として激しい太鼓の連打へと変わる。


「……っ!」


は纏っていた薄布を、大胆に宙へと投げ捨てた。
どこに隠し持っていたのか、彼女の両手には二対の扇が開かれている。
先ほどまでの静謐な空気は一変し、彼女の舞は男たちの本能を揺さぶる、激しくも情熱的なものへと変貌した。


ーーシャン、シャンッ!


扇が風を切り、足首の鈴が狂おしく鳴り響く。
激しいリズムに合わせ、しなる腰、跳ねる髪、そして時折、扇の隙間からシャンクスへと向けられる、熱を帯びた瞳。


元踊り子としての誇りと、最愛の男への献身。
そのすべてをぶつけるような彼女の舞は、もはや単なる芸ではなく、一つの「祈り」に近かった。


最後の激しい旋律が最高潮に達し、ピタリと動きが止まる。
は大きく肩で息をしながら、扇で顔の下半分を隠し、シャンクスを見据えたまま深く一礼した。



一瞬の静寂。
直後、割れんばかりの歓声と拍手がレッド・フォース号を揺らした。


「最高だ、!」

「お頭、こりゃあ一生の宝だな!」


クルーたちが口々に叫び、甲板はお祭り騒ぎに包まれる。


だが、その狂騒の中心でシャンクスだけは微動だにせず、ただ呆然と彼女を見つめていた。
その鋭い瞳は、月の光を浴びて輝く彼女の姿を、網膜に、そして魂に焼き付けようとしていた。

あまりの美しさと、自分に向けられたその情熱。


シャンクスの胸の奥で、嫉妬と独占欲、そして言葉にならないほどの愛しさが、爆発寸前の火山のように熱く、激しく渦巻いていた。




/ 128ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp