緋色の海に溶ける蜜情 【ONE PIECE 赤髪 R18】
第6章 赤髪の生誕祭 ―月の光と蜜の舞―
日付が変わるその瞬間、レッド・フォース号の甲板は爆発的な歓声に包まれた。
「「「お頭、誕生日おめでとう!!」」」
「野郎ども、酒だ! 酒を持ってこい!!」
シャンクスの誕生日を祝う宴が、ついに幕を開けた。
はシャンクスのすぐ隣で、彼に注がれる祝いの酒を一緒に楽しみながら、時折、彼が気づかないほどの手短な世話を焼く。
だが、その胸の内は、これから始まるサプライズへの緊張で早鐘を打っていた。
宴が最高潮に達し、シャンクスがクルーたちに囲まれて何杯目かの大ジョッキを煽っている隙に、彼女はそっと立ち上がった。
「シャンクスさん、少しだけ……風に当たってきますね」
「あ? ああ……。あまり遠くへ行くなよ、」
酔いの回った赤い顔で彼女を捉え、シャンクスは名残惜しそうにその手を一度だけ握って離した。
彼女が姿を消してから、どれほどの時間が経っただろうか。
酒が進むほどに、シャンクスの意識は隣にいない「体温」を求め始めた。
どれほど賑やかな歌声が響こうとも、彼の本能は最愛の女が傍にいない空白を敏感に感じ取ってしまう。
「……おい、はどうした。戻るのが遅すぎねェか」
シャンクスは重い腰を上げ、ふらつく足取りで彼女を探し始めようとした。
だが、その行く手を、紫煙をくゆらせたベックマンが静かに遮る。
「そう急ぐな、お頭。主役がいなくなっちゃ宴が台無しだ」
「ベック……。だが、あいつが……」
その時、ヤソップが甲板の端から短く口笛を鳴らした。
それが合図だった。
ベックマンはシャンクスの肩に手を置き、促すように甲板の中央、広く開けられたスペースへと彼を連れて行く。
「……なんだ、一体」
不審げに目を細めたシャンクスの視線の先。
そこには、月明かりと船上の篝火を浴びて、薄い絹の布がカーテンのように翻っていた。
夜風に揺れる布の向こう側。
透けて見えるのは、紛れもなく一人の女のシルエット。
普段の彼女からは想像もつかない、しなやかで、かつ妖艶な曲線。
シャンクスの酔いが、一瞬で冷めた。
布の向こう側に佇むその影が、自分だけのために「何か」を始めようとしている。
彼は言葉を失い、ただ目の前の、月光に透ける美しい幻影に釘付けになったーー。