緋色の海に溶ける蜜情 【ONE PIECE 赤髪 R18】
第5章 赤髪の寵愛
「……やりすぎちまったか」
そう呟きながらも、指先は愛おしげに彼女の頬をなぞる。
かつて自分の中に芽生えたのは単なる同情などではなかった。
この極上の甘みを、誰にも触れさせず、自分だけのものにしたいという、身勝手で獰猛な独占欲。
それを必死に理性の鎖で繋ぎ止めていたが、他の男に自ら触れさせたという事実が、その鎖を容易く引き千切った。
シャンクスは温かいタオルを絞ると、彼女の白い肌を汚す自分の残滓を、丁寧に拭い去っていく。
拭うたびに露わになる愛撫の跡を見て、胸の奥が昏い充足感で満たされるのを感じた。
(……これで、お前はもうどこにも行けねェ。俺の匂いと、俺の種で、骨の髄まで塗り潰してやったからな)
この船が地獄のような戦場へ向かうことも、今の彼にはどうでもよかった。
ただ、この腕の中に収まっている小さな体温だけが、自分を繋ぎ止める唯一の錨のように思えた。
あの日、手を出さずに見守っていた自分を笑ってやりたい。
こんなにも脆く、甘く、自分を狂わせる女を、よくも放っておけたものだ。
シャンクスは彼女を再び強く抱き寄せ、その首筋に顔を埋めた。
鼻腔をくすぐる彼女自身の甘い蜜の香りが、ようやく彼の荒れ狂っていた心を鎮めていく。
「……おやすみ、。明日から、お前の世界には俺しかいねェよ」
繋がったままの絆を、あるいは呪縛を確かめるように、彼は彼女の額に一度だけ、深い口づけを落とした。
窓の外が黄金色から深い群青へと溶けゆく頃、はようやく重い瞼を持ち上げた。
視界が揺れる。
全身の関節が外れたかのように力が入らず、指先一つ動かすのにも労力を要した。
丸一日休むことなく暴かれ、最奥を叩き潰されるように抱き潰された代償だった。
(……動けない……っ)
今まで数多の男たちに弄ばれ、回されてきた夜はあった。
けれど、そのどれと比較しても、今の疲労感と身体の疼きは異質だった。
ただの消耗ではない。
シャンクスという男の圧倒的な熱と質量が、彼女の細胞の隅々まで無理やり書き換えてしまったような、逃げ場のない支配感。