緋色の海に溶ける蜜情 【ONE PIECE 赤髪 R18】
第4章 不実な夜に、君の名を
彼女を犯している。
その強烈な妄想が、腰の動きをかつてないほど苛烈なものに変えた。
「……っ、……ッ!!」
自分でも無意識のうちに、その名を呼んでいた。
限界を超えた熱が、脊髄を駆け上がる。
「あ、あぁぁあああッ!!」
ーービュルルルルッ!!
これまでのどんな情事よりも激しく、暴力的なまでの奔流。
溢れ出した白濁は女のナカを蹂躙し、シーツを真っ白に汚した。
これほどまでの放出は、彼自身、経験したことがないほどだった。
「ふぅ……っ、はぁ……」
シャンクスが力なく女の上に崩れ落ちる。
肩で息をする彼の耳に、満足げな女の笑い声が届いた。
「……ふふっ。最高に気持ちよかったわよ、船長さん♡ ……でも、随分といじらしく他の女の名前を呼ぶのね? ……なんて幸せな子」
女の皮肉混じりの煽りに、シャンクスは顔を覆った。
他の女を抱きながら、抱いてもいない身内の少女の名を呼び、最高潮に達する。
「……あー、最悪だ、俺は」
自分がどれほど、あの甘い香りの毒に深く侵されているか。
シャンクスは、鏡に映った自分自身の情けないほどに満足しきった顔を、ただ呪うしかなかった。
結局、シャンクスは泊まる気になれなかった。
女の肌を借りて、頭のなかで別の女を犯す。
そんな最低な真似を繰り返した後では、賢者タイムの虚脱感と共に、えもいわれぬ自己嫌悪が押し寄せてきた。
(……あー、クソ。何やってんだ、俺は)
夜風を浴びれば少しは冷めるかと思ったが、身体に染みついた「事後」の匂いがそれを許さない。
女の香水の安っぽい甘さと、自分から溢れ出した生臭い精の匂い。
それが混ざり合い、今の自分をこれ以上なく雄として汚らしく見せつけていた。
レッド・フォース号のタラップを重い足取りで上がる。
誰もいない静かな甲板で運悪く、その人影と鉢合わせた。
「……あ」
手すりに身を預けていたのは、だった。
夜風に当たりながら、眠れぬ夜を過ごしていたのだろう。
彼女の視線が、ふらりと戻ってきたシャンクスを捉える。
「シャンクス、さん……」
駆け寄ろうとした彼女の足が、ぴたりと止まった。
彼女の鼻に届いたのは「他の女」の残り香だったーー。