緋色の海に溶ける蜜情 【ONE PIECE 赤髪 R18】
第3章 欠けた左腕と、蜜の体温
「……叶うわけ、ないよね」
湯気に混じって、独り言が消えていく。
恋に落ちてしまった。
その自覚が、胸を締め付けるような痛みを連れてくる。
けれど、たとえ想いが通じなくても、彼の背中を一番近くで見守っていられるなら、それだけで、自分は生きていける。
は震える手で真っ白なタオルを身に纏うと、鏡に映った上気した自分の顔を強く叩き、決意を新たにしたーー。
それからの日々、医務室の重い扉の向こう側は、二人だけの密やかで淫らな聖域となった。
看病という名目で訪れるの手には、いつも清潔な着替えと、そして彼を昂らせる準備が整った柔らかな指先があった。
初日のような暴走こそ落ち着いたものの、シャンクスの若く強靭な肉体は、彼女が放つバニラの香りに触れるたび、いとも容易く熱を帯びた。
「……ん、はぁっ……、そこ……っ」
「ふふ、シャンクスさん。ここ、すごく固くなってますよ……」
二度、三度。
抜き身の刀のような熱を、彼女は惜しみない愛情を込めて可愛がった。
指先で脈打つ血管をなぞり、舌でその先端を転がす。
シャンクスが満足げに吐息を漏らし、シーツに沈み込む瞬間が、彼女にとって何よりの悦びだった。
けれど、決定的な一線を、シャンクスは頑なに越えようとはしなかった。
「……シャンクスさん。私、準備できてます。……抱いて、くれませんか?」
情事に火照った顔で、が潤んだ瞳で請い願う。
だが、シャンクスは荒い呼吸を整えながら、彼女の頬を優しく撫でるだけで、その「蜜」に指一本触れようとはしない。
「……ダメだ。お前は、自分を安売りしすぎだ」
「安売りなんて……! 私、あなたになら……っ」
「わかってる。……だが、お前は大事なクルーなんだ。……わかってくれ……」
彼は彼女の献身を真っ向から受け止めながらも、彼女を蹂躙した男たちと同じ場所に、自分を置くことを潔しとしなかった。
その拒絶が、の胸をチリリと焼く。
彼を満足させた後、部屋を出る彼女の身体はいつも置き去りにされた熱で疼ききっていた。