緋色の海に溶ける蜜情 【ONE PIECE 赤髪 R18】
第3章 欠けた左腕と、蜜の体温
静まり返った室内。
シャンクスの視線は、無造作に掛けられた彼女の羽織に釘付けになった。
いつもなら、笑ってやり過ごせるはずだった。
だが、禁酒による極限のフラストレーションは、彼の理性の堤防を脆く崩していた。
一つの欲求が封じられた反動で、別の獣のような欲求が抑えきれないほど膨れ上がっていく。
「……少しだけだ」
自分に言い聞かせるような掠れた声。
シャンクスは椅子に手を伸ばし、その羽織を引き寄せた。
鼻を埋めると、洗濯したての石鹸の香りを突き抜けて彼女自身の、暴力的なまでに甘い蜜の香りが立ち昇ってきた。
「くそっ……なんて匂いさせやがる……」
脳が痺れる。
シャンクスは衝動のまま、その羽織を失った左肩から背中にかけて、自分を包むように掛けた。
まるで彼女に後ろから抱きしめられているような錯覚に陥る。
彼はそのまま右手をズボンへと滑り込ませた。
「は……っ、あ…………」
頭の中では、初めて会った時の蹂躙されていた彼女の姿と、今の健気な笑顔が混ざり合いドロドロに溶けていく。
自分のせいで腕を失ったと泣いた彼女。
その彼女の香りに包まれながら、独りで欲を昂ぶらせる背徳感が更なる熱となって彼を突き動かした。
ーーグチュッ、クチュ……ッ
静かな部屋に、卑猥な水音と男の荒い呼吸が響く。
左肩にかかった羽織の匂いを吸い込み、シャンクスは獣のような顔で腰を跳ねさせた。
「あ……っ、ぐ……、っ!!」
絶頂が迫り、視界が白く染まりかけた、その時だった。
「シャンクスさん、忘れ物――」
勢いよく扉が開いた。
そこには、戻ってくるはずのない時間に息を切らして戻ってきた、が立っていた。
「…………え?」
時が止まった。
左肩に彼女の羽織を纏い、右手で自身の猛り狂った質量を握りしめたまま、果てる直前の呆けた顔をしたシャンクス。
そして、その光景を真正面から見てしまった。
「あ………………あ、の」
顔を赤くしたを見たシャンクスの額から、冷や汗がどっと溢れ出した。