緋色の海に溶ける蜜情 【ONE PIECE 赤髪 R18】
第2章 落日の蜜、始まりの鐘
「お前を、このまま村に置いていくのはやめようと思う。……この船に乗れ。俺たちと一緒に来るんだ」
「え……?」
「お前の『蜜』の力は、放っておくには危険すぎる。フーシャ村のような平和な場所でも、昨日のような奴は現れた。お前を一人にするのは、俺が嫌なんだ」
「でも、私は……皆さんに迷惑をかけてばかりで。シャンクスさんの腕まで……!」
「迷惑だなんて一度も思っちゃいねェよ。……それに」
シャンクスは少しだけ悪戯っぽく、けれど力強く笑った。
「腕一本分、しっかり働いてもらわねェとな。……どうだ、。俺の船で、もう一度やり直してみねェか?」
シャンクスの言葉は地獄の底を彷徨っていたにとって、眩しい光だった。
「……いいんですか? 私、足手まといでしかないのに。また、誰かを傷つけるかもしれないのに」
震える声で問い返す彼女の瞳から、大粒の涙がシーツに零れ落ちる。
自分の存在そのものが、この偉大な男の腕を奪ったという事実は消えることはない。
だが、シャンクスは笑っていた。
痛みなど微塵も感じさせない、突き抜けるような明るい笑顔で。
「足手まとい? 誰がそんなこと言った。お前、マキノさんの店で立派に働いてたじゃねェか。俺たちの酒盛りを支えてくれたのはお前だぞ」
「でも……っ」
「いいか、。誰がなんと言おうと、俺がお前を必要としてるんだ。腕一本の貸しだ。……一生かけて、この船で返せ」
その言葉に、彼女の胸の奥で固く閉ざされていた何かが、音を立てて崩れ去った。
恐怖 絶望 汚されたという屈辱。
それらすべてを、シャンクスの真っ直ぐな瞳が溶かしていく。
「……はい。もし、私がここにいてもいいなら……ずっと、いさせてください。シャンクスさんの隣に……!」
絞り出した言葉は、彼女の本当の願いだった。