• テキストサイズ

緋色の海に溶ける蜜情 【ONE PIECE 赤髪 R18】

第2章 落日の蜜、始まりの鐘


を連れて港に戻ったベックマンを待っていたのは、静まり返った赤髪海賊団の異様な空気だった。


「おい、どうした……」


ベックマンが声をかけると、クルーたちが道を開ける。
その先、海岸で座り込んでいるシャンクスと、彼の胸で泣きじゃくるルフィの姿があった。


「シャンクス……さん?」


ベックマンの腕の中で、マントから顔を出したが息を呑んだ。
シャンクスの左肩から先が、無かった。
海王類からルフィを救い出した代償。
滴り落ちる鮮血が、フーシャ村の砂浜を赤く染めている。


「……ハハ、そんな顔すんなよ、二人とも。安いもんだ……腕の一本くらい」


シャンクスは青ざめた顔で、けれどいつもと変わらぬ穏やかな笑みを浮かべて見せた。
その瞳は、ボロボロになったを認めると、深い安堵の色に染まる。


「……良かった。無事だったな、」

「そんな、私のせいで、シャンクスさんまで……っ!!」


自分の不運が、ルフィを危険に晒し、大切な恩人の腕を奪ってしまった。
は自分を責め、ベックマンの腕の中で声を上げて泣いた。
海岸に響くのは、ルフィの慟哭との嗚咽、そして寄せては返す波の音だけだった。


「泣くな、二人とも。無事ならそれでいいんだ」


血の気を失った顔で、シャンクスは残された右手でルフィの頭を撫で、ベックマンに抱えられたへ優しく眼差しを向けた。
だが、肩の付け根から滴り落ちる鮮血の量は尋常ではなく、船医のホンゴウが血相を変えて駆け寄ってくる。


「お頭! すぐに医務室へ! ……、あんたもひでェ有様だ、後回しにさせちまうが、勘弁してくれよ」


ホンゴウの苦渋に満ちた言葉に、は激しく首を振った。


「いいえ……私のことなんて、どうでもいい。お願い、シャンクスさんを……早く!」


ベックマンは彼女を抱えたまま、慌ただしく動くクルーたちに混じってレッド・フォース号へ乗り込み、彼女を船長室へと運ぶと清潔なシーツの上に下ろした。


「ここなら誰も入ってこねェ。……まずはその身体を洗ってこい。予備の服はそこにある」


ベックマンが短く告げて部屋を出ると、はふらつく足取りで浴室へ向かった。



/ 128ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp