緋色の海に溶ける蜜情 【ONE PIECE 赤髪 R18】
第2章 落日の蜜、始まりの鐘
「……おい、山賊。今の話、本当か」
低く、地を這うような声。
ヒグマは思わず後ずさりした。
「へ、へっ……ああ、そうだ。あの甘い匂いの女か? 今頃は俺の部下共に骨までしゃぶられてるさ。お前らみたいな腰抜けにはもったいねェ女だったぜ!」
シャンクスの目が、一瞬だけ鋭く細められた。
「……ベック」
「ああ、わかってる」
副船長のベックマンが、一歩前に出る。
山賊の一人が銃を向けるが、彼は一瞬でその場にいた山賊たちを一人で叩き伏せた。
「な……っ!? お、のれ……っ!!」
想像を絶する実力差に、ヒグマの顔が引き攣る。
彼は咄嗟に足元のルフィの首根っこを掴み上げ、煙幕弾で逃げた。
「このガキは人質に貰っていくぜ!!」
「ルフィ!!」
煙が晴れた時、ヒグマとルフィの姿は消えていた。
海へと続く港の方から、荒々しい小舟の音が聞こえる。
「くそっ……! 海に逃げやがったか!」
シャンクスは海の方を睨みつけた後、背後のベックマンを振り返った。
その瞳には、ルフィを案じる焦燥と、を蹂躙した者たちへの静かな、けれど苛烈な怒りが同居していた。
「ベック、お前はアジトへ行け。……一人残らず、消していい」
「……了解だ。頭、お前はルフィを。あいつは海に嫌われちまってる」
「ああ、頼むぞ」
シャンクスは弾かれたように海へと駆け出した。
ルフィは能力者になったばかりで、海に落ちれば命はない。
一方、ベックマンはライフルを肩に担ぎ、山の方へと視線を向けた。
その眼光は、獲物を追い詰める狼そのものだった。
「……さあて。レディを泣かせたゴミ掃除だ。たっぷり時間をかけて、後悔させてやるよ」