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緋色の海に溶ける蜜情 【ONE PIECE 赤髪 R18】

第10章 花の誘惑


「――おい、ベック。どこまで吐かせた」



薄暗い地下倉庫の扉を開け、シャンクスは冷徹な声を響かせた。
部屋の中央には椅子に縛り付けられ、ベックマンによる厳しい尋問でボロ雑巾のようになっている医者と店の男の兄弟が転がっていた。
タバコの煙を燻らせていたベックマンが、入ってきたシャンクスを振り返る。



「あぁ、お頭。大方全部吐かせたぜ。写真に残ってた被害者数十人、この島に迷い込んだ女を何年も前から同じ手口で薬漬けにして犯し続けてやがった。……人間のクズだな」


「……そうか」



シャンクスは感情の読めない目で兄弟を見下ろすと、ゆっくりとその歩みを進めた。
彼の足音が近づくたびに兄弟は恐怖で歯をガタガタと鳴らし、涙と鼻水で汚れた顔を歪ませる。



「ひっ……あ、赤髪……っ! 頼む、命だけは……!」



大柄なシャンクスが医者の前に立つと低く、どこか穏やかでさえある声で話しかけた。



「……の解毒自体は、お前らの言った通り成功したようだ。今さっき、元気に目を覚ましたよ。その事に関しては、一応礼を言う」



「そ、そうだろう!? 俺の作った解毒薬のおかげだ! だから、だから許して――」


「――だがな」



ピキッ、と。
診察室の時を遥かに凌駕する覇気が倉庫内を満たした。
シャンクスの瞳が獲物を屠る猛獣のそれへと変わる。



「お前たちが今まで、医者を信頼してやってきた女たちを薬で眠らせ、踏み躙ってきたという事実は変わらねェ。……それに海賊の女に手を付けたんだ。きっちり落とし前をつけてもらおうか」



シャンクスは愛刀『グリフォン』を引き抜いた。
薄暗い倉庫の中で白刃が冷酷な光を放つ。




「ま、待て! 赤髪!……もう、二度とこんな事はしない!!」



死を確信した医者が、狂乱しながら背もたれをガタガタと揺らして叫んだ。



「それに!島であの巨大な花の毒を解毒できるのは、医者である俺しかいないんだぞ! 俺を殺せば、これからあの花に襲われる女たちは全員、熱に浮かされて死ぬほど狂うだけだ! そんな大罪を背負うつもりか!?」



自分たちの存在価値を盾に、必死になって脅しをかけてくる男。
しかし、シャンクスはその言葉を聞いた瞬間、フッと愉快そうに口元を歪めて笑った。



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