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緋色の海に溶ける蜜情 【ONE PIECE 赤髪 R18】

第2章 落日の蜜、始まりの鐘


凪いでいたフーシャ村の空気が、その日、一変した。
港に戻ってきたレッド・フォース号の船首で、ルフィが鼻息荒く叫んでいた。
「根性見せてやる!」という言葉とともに、彼は自らの左目の下をナイフで突き立てたのだ。


「……ッ!! バカ野郎、何やってんだ!!」


シャンクスの怒鳴り声が響く。
店内に運び込まれたルフィの手当てをしながら、の手はわずかに震えていた。


「……痛くない? ルフィ君。もう、こんな無茶しちゃだめよ」

「へへっ、平気だぞ! これで俺も海賊の仲間入りだ!」


涙目になりながらも強がるルフィ。
その幼い横顔をシャンクスとマキノは可笑しそうに眺めていた。


「わっははは! お前みたいなガキが海賊になれるかよ!」

「なれるもん! ケチシャンクス!!」


いつもの、平和な掛け合い。
だが、その和やかな時間は、暴力的な足音によって踏みにじられた。


ーーバァァンッ!!


扉を蹴破り踏み込んできたのは、山賊たちだった。


「……なんだ、海賊か。情けねェ面してやがんな」


ヒグマの放つ、澱んだ殺意にの身体が、一瞬で氷ついた。
自分を蹂躙し続けたあの男たちの記憶が、ヒグマの卑猥で傲慢な瞳と重なる。


(あ……あ、ぁ……っ)


はカウンターの隅で、置物のように固まってしまった。
全身の毛穴から、恐怖による冷や汗が「蜜」となってじわりと滲み出す。
濃厚な甘い香りが周囲に漂い始めるが、今はそれに気づく余裕すらない。
だが、シャンクスたちは動じなかった。
酒を頭から浴びせられ、ガラス破片が散らばる床に座り込んでも、シャンクスはただ、申し訳なさそうに笑っていた。


「悪いな、マキノさん。雑巾あるか?」


ヒグマたちが嘲笑いながら去っていく。
シャンクスと仲間たちは、情けない姿を笑い合っている。


「……っ、なんで笑ってるんだよ!!」


沈黙を破ったのは、ルフィの怒声だった。


「あんなことされて、なんで戦わないんだ!海賊の恥だ!!」

「待って、ルフィ君! 行っちゃだめ!」


怒りに我を忘れたルフィが、店を飛び出そうと駆け出し、は反射的に手を伸ばした。

彼の腕を掴み、引き止めようとしたその瞬間だった。




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