緋色の海に溶ける蜜情 【ONE PIECE 赤髪 R18】
第10章 花の誘惑
「おい、。悪かったよ、みんなの前で言い過ぎた。怒るなって」
部屋の中からは何の返事もない。
シャンクスは扉に耳を寄せ、さらに声を落として楽しげに誘いかける。
「ななぁ。夜は島の一番大きい酒場で、美味いもんたくさんに囲まれて楽しい宴をやるんだぞ? この島特産の花蜜ローストポークとか、めちゃくちゃ美味いお菓子もあるらしい。……へそ曲げて部屋に引きこもってたら、食いっぱぐれちゃうぞ? 一緒に行こうぜ?」
(……花蜜ローストポーク、美味しそう……)
美味しいご飯の誘惑と、扉の向こうから聞こえるシャンクスのどこか甘えるような声に、の心は少しずつ解けていく。
ここで意地を張ってせっかくのグランドライン最初の島の夜を台無しにするのも勿体ない気もする。
ガチャ、と控えめに扉が開くと、まだ少し頬を膨らませたが顔を覗かせた。
「……本当に、もうみんなの前でああいうお話はしないでくださいね」
「あぁ、約束する! 部屋の中だけにしとくよ」
「部屋の中でもダメですっ!」
またからかわれて怒るの頭をシャンクスは愛おしそうに何度も撫で、その手を取った。
すっかり夕暮れ時を迎えフラワーアイランドの街には、昼間とは違う幻想的な灯りがともり始めている。
甘い花の香りが満ちる夜の街へと、二人は仲良く手を繋いで再び繰り出していった。