緋色の海に溶ける蜜情 【ONE PIECE 赤髪 R18】
第10章 花の誘惑
「うわあ……! すごい、一面がお花畑……!」
レッド・フォース号が錨を下ろした最初の島は、水平線の彼方からでも色鮮やかな絨毯が見えるほど花々に満ちた島だった。
一年中あらゆる花が咲き乱れるという春島『フラワーアイランド』
船が港に近づくにつれ潮の香りに混ざって、どこか甘く優しい風が甲板を吹き抜けていく。
「ガハハハ! こりゃまたえらくメルヘンな島に当たったな!」
シャンクスが舳先に腰掛け、溢れんばかりの花の色に目を細めて笑った。
普段、血と硝煙の匂いにまみれた荒くれ海賊たちにとって、これほど可愛らしくて平和な島はどこか場違いでくすぐったい。
「おいおいお頭、俺たちみたいなゴツい野郎どもが上陸したら、島の景観を損ねちまうんじゃねェか?」
「バカ言え! 花より団子、美味ェもんがあればどこだって天国だ!」
「グランドライン最初の島が平和そうなここで良かったぜ。お嬢、可愛い服でも買ってもらいな!」
初めてこの海に足を踏み入れた新入りのクルーたちも、最初は「海賊に花なんて似合わねェ」と照れくさそうにしていたが、いざ上陸となると遠足前の子供のように目を輝かせて街へ繰り出していった。
「よし、俺たちも行くぞ、!」
シャンクスは自分の上着の襟を正すと、の手を握りしめた。
「はい! なんだか、歩いているだけでお花の国にいるみたいでワクワクしますね!」
「だろ? ほら見ろよ、街灯にまで花が巻き付いてやがる。他じゃちょっと見ねェ光景だな」
街に一歩足を踏み入れると至る所に色とりどりの花が咲き誇り、優しく包み込むような甘い匂いが鼻腔をくすぐる。
少し歩くだけで屋台の店主たちが「いらっしゃい! 特産の『花蜜ジュース』はどうだい?」と気さくに声をかけてきた。
「お、美味そうだな。おじさん、それ2つくれ!」
シャンクスがコインを弾いて受け取ったのは、透き通ったピンク色のジュース。に手渡すと、自分も一気に喉を鳴らした。