第10章 本当に欲しかったのは*💙
夜、家に帰ってからも昼間のイラついた気持ちのまま。
他のやつを呼べばいいだけの話。なのに呼ぶ気にならない。
欲しいのは“誰か”じゃなくて、あいつ。
スマホを握ったまま、なかなか眠れない。
あいつが、知らねぇ男の隣で笑ってる想像が勝手に浮かぶ。
面白くない。めちゃくちゃ面白くない。
それでも『帰ったら連絡して』とは送れないことはわかってる。俺にはそんな権利がないから。
でも、送らない自分にもイラつく。
他のやつのメッセージ返したり、メンバーの動画見て笑って気を紛らわせようとする。だけど落ち着かない。時計を見る。この時間なら、もう帰ってるはず。
でも連絡は来ない。
来ないのが、こんなに苦しいなんて考えたこともなかった。
ソファに崩れるように倒れこむ。あいつが、がいないって考えるだけで苦しい。
さっき俺が『来なくていい』って言ったくせに。
……やっぱ面倒くせぇ、俺のほうが。