第10章 本当に欲しかったのは*💙
「…なんだよ」
画面をスクロールしてまた写真を見る。
やっぱり距離、近くね?
胸の奥が苦しくなる。落ち着け、俺。
自分でも意味がわかんねぇ。
俺はあいつとは付き合ってない。今の関係に名前もないし、未来も約束してない。
俺が“ちゃんと”してない。文句言う資格なんてない。わかってんのそんなことは。
それなのにこんな気持ちになんの。
メッセージアプリもう一度開いて
『へぇ』
打っては消し
『楽しんで』
打っては消して。
イラついて指が止まらない。
『男?』
……送信、あ。送ってることに気づいた時にはすでに既読。いつもはすぐ来るのに返信が来ない。
数分ってこんなに長いっけ。
こんな待ったこと今までなかった。
“呼べば来る”あいつが今は別の場所にいる。俺の知らない男のそばにいる感覚が気に入らない。孤独感でいっぱいになる。