第10章 本当に欲しかったのは*💙
別の日の現場終わりに楽屋でスマホを開く。
何気なくSNSを見てたら、あいつのストーリーに目が止まる。
《久しぶりに会えたー!》
男の腕が少し写ってる。
顔は写ってない。でも距離が近い。
……は?
胸の奥がざわざわする。別に付き合ってねぇから文句言う資格もない。
わかってる。なのに指が止まる。
もう一回、写真を見て拡大する。
誰だよこいつ。共通の知り合いかと思ったけど、知らねぇ。
てかなんで笑ってんの?
––なんでその顔、俺以外に見せてんの?
イラつく。
夜だけの関係。そうだとわかってんのに胸の奥がどんどん狭くなる。
気づけばメッセージアプリを開いてる。
『今日何してんの』
送る直前で気づいた。これは超束縛じゃん。ダサすぎる。
消して代わりに短く送る。
『今、暇?』
いつも通りの何事もない顔で。
すぐ既読ついて数秒後。
『今日は無理ー。友達といる』
友達。その一言が妙に刺さる。
『男?』
って打ちかけて消す。重すぎだろ。
俺が言える立場じゃない。