第4章 ないものねだり*💙
「今日さ私、来なくてもよかった?」
「何それ」
一瞬だけ手が止まるけどすぐ笑って
「呼んだから来たんだろ?」
それだけ。私と樹の間に“特別”はない。
胸の奥が苦しさを増す。
“呼ばれたから来た。呼ばれなきゃ、会わない”それだけの関係。
樹の指がまた触れてくるけど、さっきと同じく甘くない。
なのに身体は拒めない。なんて惨めなんだろう。
――好きだから。
キスが終わってもいつもみたいに、樹が欲しくならないし触れられてるのに遠くにいるように感じる。
樹の手が背中をなぞる。いつもなら、それだけで理性が溶けるのに。
今日は冷たいまま。自分でも驚くくらい静かな声で問う。
「……ねぇ」
「ん?」
興味なさそうな返事で、もうだめだなって確信する。