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SixTONES 短編集

第4章 ないものねだり*💙


そんなこと言われなくてもわかってる。
樹が好き。だけど樹はきっと私のことは好きじゃない。だけど呼ばれれば行く。そんな自分が一番嫌い。
それでも樹の指が背中をなぞると理性は溶けていく。

「……今日だけだから」
「うん、今日だけ」

私も樹も毎回言ってる台詞。
嘘ってわかるのに。それでもふっと笑って抱き寄せられると何も言えなくなる。

抱き寄せられたまま、ソファに沈む。
部屋の配置も香水の匂いももう全部知ってる。
最初の頃は緊張してたはずなのに今は寝室に行くことすら迷わない。

「慣れたな」
「何が」
「俺の家に来るの」
「……慣れたくなかった」
「今さら?」

また余裕の笑みで聞いてくる。
否定できない。
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