第3章 愛の切れ端
そんなある日だった。行く宛ても何もない俺はフラフラと街を歩いていて、ある奇妙な青年を見かけた。
「じゃあ行くからな! 俺が向こうまで渡ったらみんなで拍手をしてくれ!」
顔を緑に塗りたくった青年が、本当に楽しそうに笑いながら、平均台を渡ろうとしていた。
集まっているのは子どもだけ。見るところ、服装がボロボロで細い子ばかりだったから、身よりのない子どもたちなんだったと思う。
一方、周りの大人たちは忙しなく動き回ったり、無視して通り過ぎるばかり。まるで緑の顔の彼を見ないようにしているようだった。
「おい、きおきお!」
緑顔のストリートパフォーマーのサポートをしているのだろう一人が大声をあげた。見ると緑顔のきおきおと呼ばれた彼が、平均台から落ちかけていて、俺は一瞬肝が冷えた。
「危ないっ!」