第3章 愛の切れ端
〜ぼんじゅうる目線〜
「私は、ぼんじゅうるさんとの結婚に意欲的であり、出産希望もあります。ぼんじゅうるさんの承諾があれば、すぐにでも婚約可能です」
「……」
俺は、いつも心のどこかで違和感があった。
なんかこう、世界全てから仲間外れにされたような疎外感みたいな。
「俺は、まだ結婚は考えていないんだ」
なんて言って結婚という言葉から遠ざかってもう四十間近。周りからのお見合いの紹介もなくなったが、それは同時に友達から見放されているという意味でもあった。
「なぁ、ぼんじゅうる〜、いつものやってよ!」
「親から秘密で来たんだから、早く早く!」
そんな俺は敬称もつけないような子どもとつるんで、ちょっとした魔法を見せていた。といっても、見かけ倒しのただの手品で、俺はいつの間にか「卑怯者」なんて呼ばれていた。
「分かった分かった。じゃあ今日は、形が変わる船な」
これは折り紙を作った手品。目を閉じた一瞬にして形が変わるだけの折り紙だ。
「わー、すごい! どうやったの? ぼんじゅうる!」
と子どもだけが熱心に見てくれるのが妙に楽しくて、俺は得意げになって折り紙のやり方を教えるのだ。