第7章 大切な記憶
とぼんさんが言いかけた時だった。
鋭い音がして、テントの壁が裂けた。
一枚布で張っただけのそれはあっという間に裂け目を大きくし、僕らのいるところに風が入り込み、廃材みたいな椅子やテーブルが一瞬にして後ろへ吹き飛んだ。
「みんな、何かに掴まって!」
と僕は叫んだけど、このテント小屋に掴めるものがあるはずなかった。
だが僕の言葉を素直に返事したおらふくんはテントを支えるのに大事な支柱へと手を伸ばしていた。
「おらふくん、それは……!」
「え?」
気づいた時にはもう風に煽られていたおらふくんは支柱諸ともすぐに空中へ投げ出され、僕たちはますます体勢を保てなくなった。ぼんさんなんて地面にうずくまっていてこちらに顔を上げられない状態だ。
この状況を突破するには……と僕が裂けたテントの壁を見やった時、ものすごく大きなツルハシが闇夜の中からキラリと光って見えた気がした。
「こんなんじゃ全然ダメダメな建築ですねぇ」
誰、と言うより早く、テントの壁の穴は塞がり、僕たちはようやく助かったのだと分かり始めてきた。
と同時に僕たちのテントに大柄な男……否、二本足で歩く大豚が入ってきた。