第6章 自由な匠
数日後、ネコおじを連れてサーカス団にやってくると、少しばかりの観客と眩しすぎる二つだけのライトに照らされた、小さなステージがある場所だった。
これが「サーカス」というものなのだろうか? と周りを見渡してみるが、壁は一枚の布で出来ていて、外からの風を受けてたまに揺れたりしていた。そういえば外観はテントのようなものだったが、建築基準法はどうなってるんだと観察を続けていると、どれもこれもツギハギだらけなのが見て取れた。
見れば周りも貧相でボロボロの服を身につけた観客ばかりだし、入場料もなかったから、もしかしてここは誰かが名売りのために立ち上げた集団的なものではないか、と俺は考えた。
間もなく、観客席側の明かりが消え、ビックリしたネコおじが俺のパーカーのフードの中へ潜り込んだ。
俺は注意深く、ステージの方へ目を向ける。
フリー音源が流れ始め、頃合を見て誰かがステージに出てきた。どうやら男二人があのステージ上の演者のようだ。
「ども、ドズルでーす!」
「ぼんじゅーる、ぼんじゅうるだ! どーもです!」