第4章 アフレッタンドに駆り立てられる【もう一度〜死滅回游について】
『いや、あくまで開門の権限は「表」の所有者のである羂索のものだ』
「えぇ……でも……星也さん、どうにかなんない?」
「失礼します」と断り、星也が【獄門疆『裏』】に手を翳し、瞼を閉じる。けれど、間もなく閉じた瞼を開き、複雑な表情で眉を寄せた。
「できなくはないが、少なくとも三ヶ月……長ければ半年は掛かるだろう。僕たちにそんな時間はない」
「儀式が終わるまでどのくらい掛かりますか?」
『回游次第だが、二月(ふたつき)もあれば済むだろう』
天元の答えに、伏黒が歯噛みする。
封印の解析に三ヶ月、儀式終了が二ヶ月……ならば、大人しく別の手段を探した方がいいだろう。
「何か手はあるんですか?」
星也の問いに、天元が一つ頷く。
『これを抉じ開けるには……あらゆる術式を強制解除する【天逆鉾】、あらゆる術式効果を乱して相殺する【黒縄】。このどちらかが必要だ。だが、【天逆鉾】は十二年前、五条 悟が破壊してしまった』
「何してんの、先生!」
『【黒縄】も去年 五条 悟が全て消してしまった』
「何してんだ、あの人は!」
虎杖は伏黒と共に絶句するしかなかった。どちらの手段も、封印されている五条の手によってことごとく潰されるという皮肉な状況だ。
「【黒縄】の残りは、僕がアフリカでミゲルさんと探してたんだけど、これに関しては無駄足だったね」
海外って……それで行っていたのか。
「僕も【天逆鉾】に代わる呪具の捜索に駆り出されたが、見つけることはできなかった」
そのせいで渋谷へ駆けつけるのも遅くなってしまったらしく、乙骨と星也が申し訳なさそうな表情をする。
「あれ? 術式の解除って、確か星良さんが順平に……」
前に里桜高校で、【無為転変】を掛けられそうになった順平を助けた呪符。
星也に聞いたら、星良の術式によるものだと教えてくれた。それに、渋谷でもそれで七海を助けている。