第4章 アフレッタンドに駆り立てられる【もう一度〜死滅回游について】
「あの封印は複雑で強固だ。姉さんが解除するには、専用で呪符を作る必要がある。そのためには……」
やはり、星也と同様 解析に時間を要するのだろう。
「で、それ以外の手段は? 当然あるんだろう?」
ジロリと睨むように見る九十九に、天元は『あぁ』と頷いた。
『【死滅回游】に参加している泳者の中に、「天使」を名乗る千年前の術師がいる。彼女の術式は、あらゆる術師を消滅させる』
「術式を……消滅させる?」
そんな術式もあるのか、と伏黒の質問を聞きながら虎杖は驚く。
「天元様、その術師は今どこに?」
『東京の東側の結界だ。回游の結界は私を拒絶しているから、それ以上の情報はない』
星也の質問に答えつつ、天元は取り出したときと同じように、【獄門疆『裏』】を空中の異空間へと仕舞う。そして、『まずはそこから整理しようか』と指を立てた。
『全国 十の結界(コロニー)。それが、日本の人間を彼岸へと渡す境界を結ぶ結界に繋がっている』
天元の説明に、虎杖は「あ」と思わず零す。
確か八十八橋で聞いた。川などの境界を跨ぐ彼岸へ渡る行為は、呪術的に大きな意味を持つのだ。
結界の場所は北から青森、岩手、仙台、東京(2つ)、愛知、京都、大阪、広島、鹿児島。
これらの結界は日本を縦断する形で配置され、その両端に位置する青森と鹿児島の結界は、それぞれ別の結界が繋がっている。
この十ヶ所の結果で【死滅回游】が行われることにより、両端の結界を反対側に動かして日本全土を覆い、日本にいる人間全員に彼岸へ渡す境界を渡らせる必要がある。