第4章 アフレッタンドに駆り立てられる【もう一度〜死滅回游について】
「つまり……【死滅回游】での殺し合いは、境界を動かすための動力ってこと?」
『そういうことだね』
詞織の話を天元が肯定する。
ちなみに、北海道が入っていないのは【呪術連】という組織の結界が関係しているらしい。
そこにある結界はすでに巨大な霊場として慣らしが済んでおり、干渉できなかったのではないかと推測された。
『「彼岸へ渡す」と聞くと仰々しいが、日本にいる人間全員に【呪い】をかけて、同化の準備をしているのさ』
そう、天元は話を総括する。
儀式が終わるまで、およそ二ヶ月……。
1.泳者(プレイヤー)は術式覚醒後、19日以内に任意の結界(コロニー)にて死滅回游への参加を宣誓しなければならない。
現在――十一月九日の午前九時。
泳者の術師たちが覚醒したのが、十月三十一日二十四時頃。
津美紀が回游に参加するまでの猶予は、およそ十日と十五時間。
2.前項に違反した泳者からは術式を剥奪する。
この術式の剥奪は十中八九【無為転変】で行われ、脳に無理やり作用するだろう。
『使用禁止』ではなく『剥奪』だから、“縛り”による違反での執行ではない。そして、ルール的に見ても、剥奪は死と同義。そうでなければ、皆 参加を拒否することができ、【死滅回游】が始まらなくなってしまう。
さらに、この術式の剥奪は羂索によって覚醒した術師だけでなく、従来から術式を持っている者――つまり、伏黒や詞織たちのような高専側の術師にも適用される。
逆に言うと、真希のような【天与呪縛】のフィジカルギフテッドや、術式を持っていない虎杖や日下部のような術師はノーリスクだ。
パンダの場合は、脳があるのかないのか分からないため、『剥奪』された場合の影響は不明である。