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夢幻泡影②【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】

第3章 胸を突き刺すドロローソ【執行~あの場所】


「野薔薇は……姉さまとショーコさんが手を尽くしてる。わたしたちが様子を見に行った時点で、蘇生には成功してた。でも、意識が戻るかは分からない。このまま意識が戻らない可能性も充分にあるって……」

「……そうか……分かった」

 分かった、ともう一度 繰り返し、虎杖は拳を強く握った。

 大丈夫だ。
 一縷でも望みがあるのなら……まだ、悲しむのは早い。

「その“隠す”結界とやら、何とかなるかもしれんぞ」

 突如 ヌッと現れた脹相に、伏黒がビクッと身を引く。

「だ、誰……?」

 警戒するように詞織も伏黒の腕を掴んで身を隠していた。

「悠仁のお兄ちゃんだ」

「お兄、ちゃん……?」

「あぁ。アンタが虎杖の兄貴(自称)か」

 話は聞いていたのか。伏黒と詞織が頷く。

「詞織、恵。彼は【九相図】の一番、脹相。“今は”味方ということで問題ないだろう」

「【九相図】……」

 詞織がポツリと呟き、顔を俯けた。おそらく、八十八橋のことを思い出しているのだろう。

「で……どういうことだよ、脹相」

「以前 真人が【宿儺の指】と俺たち【呪胎九相図】を盗み出しただろう。それと同じことをする」

 扉から【薨星宮】の途中には、高専が呪具や呪物を保管している忌庫があり、そこには脹相の弟である膿爛相(のうらんそう)、青瘀相(しょうおそう)、噉相(たんそう)、散相(さんそう)、骨相(こつそう)、焼相(しょうそう)の亡骸がある。
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