• テキストサイズ

夢幻泡影②【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】

第3章 胸を突き刺すドロローソ【執行~あの場所】


「あの人……九十九さんは知らねぇかな?」

 あの決戦の場で助けてくれた背の高い女性――九十九 由基は、自分たちの中で最も事情を理解していた。何か情報を持っていそうなものだが。

「もう話した。これは由基さんの案だよ」

 そか、と虎杖は詞織に頷いた。

「事情は理解した。問題は天元様の“隠す”結界だな」

「ですね。シャッフルを繰り返す千以上の扉のうち、一つだけが天元様のいる【薨星宮】へと繋がっている」

 顎に手を当て、星也と乙骨が考え込む。

「それを引き当てなきゃ、天元……様に会えねぇわけか」

 伏黒、星也、乙骨に倣い、虎杖も敬称をつけた。何をしている人なのかは全く分からないが、偉い人なのだけはよく分かった。

 そこで、今の今までずっと心の片隅で引っかかっていることが気になって、決心する。

「ごめん、伏黒、詞織。やっぱ今 聞くわ」

 今 聞くことではないかもしれないが、それでもこの疑問を放置はできない。

「釘崎と順平はどうなった?」

 あの渋谷駅で、釘崎は真人の【無為転変】を受けて心停止し、助かる見込みは限りなく低いと言われていた。

 釘崎の延命に力を尽くしていた順平も、真人に胸を貫かれた。東堂の後輩――新田 新が家入のところへ連れて行ってくれたが、その後の安否については確認できていない。

「吉野は無事だ。ただ、かなり無理をしたみたいで、まだ動ける状態じゃない」

「釘崎は……?」

 緊張した声音で問いを重ねると、言いにくそうにしながら、詞織が口を開く。
/ 82ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp